中小企業に必要な保険

損害保険協会「中小企業を取り巻くリスク 意識調査2023」によると、「何らかの被害を受けたことがある」と回答した企業の割合は27.9%、「周囲で被害を受けたという話しを見聞きしたことがある」と回答した企業の割合は40.8%となっています。
実際に被害を受けた企業がどのようなリスクに被害を受けたかが下記の通りです。

「どのような対策をしておくべきだったか」の質問に対して46.2%に企業が「損害保険への加入」と回答しております。

それでは損害保険に加入するきっかけになったのはどんな時だったのでしょうか?
「保険代理店から提案があったから」(24.9%)
「保険会社から提案があったから」(24.7%)
「年々リスクが複雑化しているから」(23.9%)
上記が上位3つです。
約半数の企業が保険会社、保険代理店から何らかの提案を受けたことにより自社のリスクを意識し対策として損害保険加入を選択されたと見て取れます。
保険で全てリスクヘッジが出来るわけではございませんが、突発的に起きるリスクはカバー出来るのではないでしょうか?
実際、企業経営を取り巻くリスクを損害保険でどの程度までカバーすることが出来るのか把握するのはなかなか困難なことだと思います。
経営者に求められる第一プライオリティは売上を上げる、利益を上げること。そのためには既存商品の販路拡大、新規取引先の開拓、新規事業の立案等多岐に渡ります。
企業経営者がリスク管理や、ましてや保険に関して考える優先順位は極めて低いと思われます。 リスク管理は社員に任せているケースが多いと思います。
本来であれば欧米企業のように企業内にリスク管理の専門部署を設置するのがベストな方法でしょうが、そこまでリソースを割けないのが現実ではないでしょうか?
何かの業務と兼務しながら行っていると思われます。
そこで一番の問題になるのは、保険会社や代理店からリスクをカバーする提案を受けていても担当者が多忙のため、それが経営者に伝わっていないことが多いこと。
リスクの把握はしており、対策方法もあることを知っていたが、担当者の判断で対策を先送りしていた。
本来、資金調達力の強い大企業は保険でリスクをカバーするのは限定的でよいと思われますが、日本の場合は大企業ほどリスク移転、すなわち保険でリスクをカバーし経済的損失を最小限に留めています。
これを全ての中小企業に当てはめることは難しいと思われますが、複雑な時代になってきています。以前はリスクで無かった些細な問題が突然リスクとして浮上してくることも考えられます。
そんな時代だからこそ保険が経営の一助となれば幸いです。
最後に一般社団法人 日本損害保険協会が調査を実施した、「中小企業におけるリスク意識・対策実態調査2023調査結果報告書」を添付いたします。是非、ご拝読いただければ幸いです。
https://www.sonpo.or.jp/sme_insurance/pdf/sme_report2023.pdf