就業不能保険と所得補償保険の違い
「就業不能保険」と「所得補償保険」の違いをご存知でしょうか?
「就業不能保険」は生命保険会社のテレビCM等で聞いたことがあるのではないでしょうか?
一方。「所得補償保険」は知らない、初めて聞いたという方が多いのではないでしょうか?
それではそれぞれの違いについてみていきたいと思います。
「就業不能保険」
・生命保険会社が販売している。
・就業が困難な状態が60日継続している等、保険会社によって免責期間が設けられている。
・保険期間を70歳まで等、年齢で設定する。長期間設定することも可能。
「所得補償保険」
・損害保険会社が販売している。
・就業が困難になった時から7日間経過後等、保険金を受け取れるまでの免責期間が短い。
・保険金を受け取れる期間が最長2年間の商品が多い。
こうしてみると大きな違いとして、保険金を受け取れるまでの期間(免責期間)や実際に就業が困難になって保険金を受け取ってからの期間に違いがございます。
「就業不能保険」、「所得補償保険」ともに就業が困難になった時のために加入する保険ですが、「就業不能保険」は長期的な保障、「所得補償保険」は短期的な補償と言えます。
「就業不能保険」と「所得補償保険」が必要な理由
自営業、フリーランスの方には特におすすめです。
会社員と違い国民健康保険に加入している人が多いと思います。
国民健康保険には会社員が加入している健康保険にはある就業が困難な際に支給される傷病手当金制度がございません。1人で全てされている場合、働くことが出来なくなると収入が途切れることになります。
会社員には必要ないのでしょうか?
次からは会社員について見ていきたいと思います。
【会社員が加入するメリット】
就業が困難になった場合は、会社員が加入している健康保険には傷病手当金制度がございます。最長1年6ヵ月間支給され、おおよその目安として給与の6割程度支給されます。会社員の場合、働けない状態になっても、即収入が途切れるわけではございません。(詳細な条件は割愛します)
また、勤務先の制度によっては休職中もある一定期間は有給休職として給与が支払われる場合もあるようです。
では、「就業不能保険」「所得補償保険」はいらないと言えるのか?
結論として全く不要とは言えません。理由は下記の通りです。
①医療保険に加入しているので入院時は日額が支払われるため不要。
確かに医療保険に加入していれば入院時に日額が支払われます。
入院日額5,000円であれば、入院1日につき5,000円なので傷病手当金と合算すれば金銭的に就業時と変わらない金額を得られるのではないかと思います。さらに短期間で就業可能な状態になれば、経済的な損失は少ないと思います。
しかし、就業可能な状態までの回復が長引き、傷病手当金の支給期間が終了した場合は経済的損失が発生する可能性が高まります。さらに勤務先に必ず確認が必要なのは休職期間についてです。就業規則等に休職期間が定められている企業が多くなりました。休職期間満了までに復職できない場合は企業によって様々ですが、多くの企業では自然退職になる可能性がございます。勤務先がどのような規定になっているか事前に確認しておくことをおすすめいたします。
②住宅ローン、子供の教育費が必要
一般的に住宅ローンや子供の教育費は現在の収入をベースに生活費等を考慮して考えることが多いと思います。特に収入が高い人は住宅ローンの月々の支払い金額を高く設定していることが見受けられます。各家庭によって事情が異なるため一概には言えませんがどこまで収入が減ったら生活を圧迫するかを常に考えておく必要がございます。
【支払条件に注意】
「就業不能保険」について各生命保険会社で支払基準が異なります。病気や怪我で働けなくなった場合に支払いを受けられる場合、国民年金法の障害等級1・2級に該当し、障害年金を受給し就業が困難と判断された場合に支払いを受けられる場合等の違いがありますので、支払い条件を確認して慎重に検討しましょう。
【最後に】
ほとんどの方にはなじみの薄い保険だと思いますがご理解いただけましたでしょうか?
全て保険でカバーすることは現実的ではありませんが、想定されるリスクを考え保険でカバーするもの、貯蓄でカバーするもの等、選択する必要がございます。そのお手伝いを出来ればなによりです。