火災保険の質権設定とは?
住宅を購入し金融機関でローンを組むと火災保険加入が必須となります。
その際に金融機関によっては、火災保険に質権を設定する場合がございます。
【質権設定とは?】
金融機関に対して火災保険の保険金の受取の権利を渡すことです。
万が一、ローン返済中に火災等で建物が消失した場合、金融機関が支払われる保険金を優先的に受け
取ります。金融機関は受け取った保険金から住宅ローンの残債分を差し引き、残額を契約者に渡しま
す。
【なぜ質権設定するのか?】
簡単に申し上げると金融機関が住宅ローンを確実に回収するためです。
万が一建物が消失しても住宅ローンは残ります。そのため保険金で住宅ローンを相殺します。
次に質権設定のメリット、デメリットを見ていきたいと思います。
【メリット】
・万が一建物が消失した場合、保険金で住宅ローンを相殺できる。
【デメリット】
・加入中の火災保険を解約して他社に乗り換える際に金融機関の承諾が必要。
・小さな損害で保険請求した場合でも保険金を受け取るには金融機関の承諾が必要。
【注意点】
質権が設定されている場合は保険証券は火災保険の契約者ではなく、質権者の金融期間にて保管いたします。
住宅ローンが完済した時点で金融機関は保険証券と質権消滅承認請求書を契約者に送付いたします。必要事項を記入に加入している保険会社へ提出いたします。質権が解除されます。
質権を設定する金融機関は減っています。今後も増えることはないと思います。理由として、以前は返済期間が30年であれば火災保険も30年契約をするのが普通でした。(長期割引があるため総支払額が抑えられる)
現在は保険期間の最長は5年となりました。(2022年10月より)そのため質権を設定した場合、5年ごとに手続きをしなければなりません。その手間を考えるとメリットは薄いと思われます。
【保険会社は選べないのか?】
質権を設定する場合でも、住宅ローンを組んで住宅を購入する場合でも保険会社の選択は購入者の自由です。納得する保険選びをすることをおすすめいたします。
質権を設定する場合は金融機関によって保険金額、補償内容に最低限の条件を設ける場合がありますので、条件がある場合はしっかりと確認して加入しましょう。
【最後に】
質権を設定する金融機関は減っているとはいえ、このようなこともあると知っていると何かと安心だと思います。
ネット上にはいろいろな情報があふれていますが、よく内容を吟味すると相違点が多々あります。あらゆることに言えますが、この情報が正しいかどうか判断するにはその情報に対する知識がないと困難と言えます。
皆様が正しい判断をするための一助となれれば幸いです。
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